よく飛ぶ 紙飛行機への道

【第13回】Light Plane 321 V-Tailの謎

よく飛ぶ 紙飛行機への道

ホワイトウイングス版の販売形態

ホワイトウイングス版二宮式紙飛行機は、B5版箱入りの15機セット「二宮康明の紙飛行機 Vol.1」から実質、始まったと見ていいと思う。

これは子供の科学版と同様の、印刷された型紙に、鉛おもり、金属フック、ゴムカタパルト、B5版説明書がセットされたもので、レーサー501~507と競技用機が7機の他、無尾翼機、複葉機、飛行艇、プロフィール機といった盛り沢山の内容であった。

発売当初から、この15機セットがシリーズ化されたようで、Vol.1、Vol.2はパッケージも日本語であったが、Vol.3からは英語版のみ(日本語の 説明書を付加して)が流通したように思われる。このシリーズはVol.8まで存在するが、Vol.7だけは、Vol.1の金属フックを廃し、紙フックに改 めたものであった。

1980年代、筆者はこの15機セットシリーズを、吉祥寺の模型店や、秋葉原の十字屋で限られた小遣いを投じて入手したのだが、何故かVol.7だけは店頭で見かけなかった。国内では流通しなかったのであろうか? 現在でも未入手である。

ホワイトウイングス版、紙飛行機の本

また、変わった販売形態としては、「英語版 Vol.6 旅客機の歴史シリーズ」と同一内容であるが、プレカットの型紙をB4版に製本した「Book1585 旅客機の歴史シリーズ」がある。Vol.6の愛蔵版という感じで、購入した日の帰り道は、なんとなく足取りが軽かったのを覚えている。

しかしながら、プレカットの型紙は当然ながら部品のアウトラインが印刷されていないので、普通の本のように開いて鑑賞しようとすると、ページをめくるたびにプレカット部品がはためくのである。部品が取れそうな気がして、あまり落ち着いて見ていられない。

ちなみにこの「プレカットの紙飛行機本」は、二宮式紙飛行機としては唯一の例である。

多様な販売形態

その他のセット形式としては、3機セット、6機セット、8機セットが見受けられる。
3機セットではオールペーパーおよびバルサ胴競技用機の3機セットを店頭でよく見かけたが、三角胴大型機のトライリニアシリーズは、比較的早い時期に絶版となったようだ。

また、単品売りの商品も、通算では多種多様となる。筆者は37種の商品の存在を確認している。その中で比較的初期からあるレーサー520は、全紙製、普通型 の楕円翼機で、美しく基本的な競技用機であるし、ハンドランチ専用大型競技用機レーサー590が翼を広げた姿は圧巻である。

その他のセット販売

一方で、英語版しか存在しないセット販売に、
AG321 Bi-Planes 3 Model Kit
White Wings Excellent Gliders Pre-cut Volume 1
AG801 Discover the Science of flight
Science of Experimental Flight
等がある。2010年時点で、おそらくかなり以前に販売終了したアイテムであり、筆者は未入手であった。

セットの構成はネットの情報等で何とか調べられるのだが、現物を入手するのは難しい。ところが秋葉原の十字屋では、AG社の在庫整理品の機体を仕入れ、ばら売りしている時期があった。

偶然それを知った筆者はこれら、その時点で認知していなかった機体等を購入し、機体の素性を見極め、絶版の英語版セットを復元することに成功した。

それが上記のうち、
AG321 Bi-Planes 3 Model Kit (3機セット)
White Wings Excellent Gliders Pre-cut Volume 1(6機セット)
AG801 Discover the Science of flight(8機セット)
の3セットである。

この他、未入手のセット内容(機体名称や機体番号)を調べるには、ネットオークションの文字記載や、商品の写真から読み取る方法、入手済みセットの説明書にある広告から読み取る方法がある。
その際、高倍率のルーペを使用すると非常に具合がよろしい。

謎のV尾翼機

このような調査努力にもかかわらず、単品売りの形跡が見つからず、またどんなセットに含まれていたのか、今のところどうしても不明の機体がある。
Light Plane 321 V-Tailがそれである。

本機はキャノピーがプリントされた低翼型、V尾翼のスマートな軽飛行機である。
筆者が確認した限りではV尾翼機自体、二宮式紙飛行機では9機種しかなく、更に低翼かつV尾翼機は4機種と大変少ない。更にバルサ胴としては本機が唯一の機体である。筆者は1キットのみ所有している。

筆者は今のところ、このキットを取り出しながめては、溜息をつくばかりである。
この貴重な1機体の謎について、今後も調査を続けていきたい
。 Light Plane 321 V-Tailは今日も謎を秘めたまま、筆者の本棚で翼を休めている。

(参考:日本紙飛行機協会ホームページ、誠文堂新光社「よく飛ぶ紙飛行機集」、AG社発売のホワイトウイングス)

2013年2月26日