よく飛ぶ 紙飛行機への道

【第8回】棒胴機、いわゆる割りばし飛行機について

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棒胴機の起源棒胴機の起源

今回は、二宮式 紙飛行機におけるひとつのジャンルとして割りばし飛行機を取り上げたい。割りばし飛行機は、本稿第3回の二宮式紙飛行機の分類にて、「棒胴機(わりばし飛行機)」という分類単位として紹介している。

その際、最初期の第1集の冒頭は、ハガキで作る割りばし機5機種で占められていると述べたが、最近の棒胴機では、使用する木の棒に模型製作用の「ヒノキ」や 「ハードバルサ」を使用するよう指示されている機体が目立つ。最初期の機体は、使い捨てされる割りばしと、不要なハガキを材料とすることが前提とされていた。

昭和40年代の当時、子供たちの遊び道具といえば、子供たち自身の手によって、古ハガキ、古新聞、めくり取ったいらないカレンダー紙など、不要なもの から産み出されるのが、まだ当たり前だったのだ。

子供たちは、糊やハサミを駆使して工作をすることに、例え失敗は多くても、なんの抵抗も無く、無心に取り 組んだ。連載初期から割りばし飛行機が掲載されたのは、このような時代背景も関係するのではないだろうか。

初期の棒胴機の利点

廃品を利用する、要はリサイクル工作であることが、何よりの利点であろう。
不要なハガキと、使った後洗浄した割りばしなら、どこの家にも転がっている筈である。
加えて、家の中をちょっと物色すれば材料が揃うというのは、年少者にとって非常にとっつきやすい工作であるということになる。

更に、全紙製の二宮式紙飛行機において、最も製作の手間となるのは、胴体を紙の積層で作る工程である。接着剤をすばやく均等に塗り、正確に張り合わせ、圧力 をかけて確実に接着する作業を数回繰り返すことになる。
更に毎回接着剤の乾燥を待って、張り合わせを行うのが、丈夫な胴体とするための理想とされている。 完成までに2~3日はかかるのである。年少者には、これが厳しくもあるであろう。

子供は待つことが苦手である。早く紙飛行機を飛ばしたくて仕方が無いのが 人情である。ところが割りばし飛行機では、割りばしを見つけてくれば胴体は完成である。主翼と尾翼を接着し、帯状の紙を機首に巻いて、重心を調整すれば出 来上がり。
朝から製作すれば午前中には完成し、昼過ぎには試験飛行も可能となる。これは年少者にとっては素晴らしい紙飛行機である。

もうひとつの利点

割りばし紙飛行機は実験機、あるいは新型紙飛行機開発のテスト機としての側面も持っている。すなわち、紙製胴の製作を省略できるため、様々な主翼の形や配置 などを容易に製作し、飛行特性を調べることができる。

主翼、尾翼の形と配置、重心位置が決まったら、同じバランスの全紙製胴を製作して組み合わせるという方法である。これなら普通型でない、左右非対称機や、円形翼機、リング翼機等の、変形機の開発も比較的容易に行える。

たとえば二宮先生ご自身も、 「N-1161わりばしジェット機 米国の高性能ジェット機 YF-22」の製作を経て全紙製の「N-1181超音速巡航のできる最新戦闘機 F- 22ラプター N-1181」およびバルサ胴のホワイトウイングス版プロフィール機を開発されているようである。

二宮式割りばし飛行機のバリエーション

さて、実際に筆者は、実物の型紙として、棒胴機を42機種、所蔵している。これらを簡単に紹介すると、プロフィール機には上記のYF-22と日本の戦闘機ゼ ロ戦がある。

競技用機は11機種、軽飛行機は2機種、デルタ翼機が1機種、変形機は7機種である。変形機にはヘリコプター(実際には円形翼の先尾翼機)、 先尾翼のリング翼機、非対称機、トンボを模した機体、串団子を模した機体、複数の主翼が並んだマルチタンデム機がある。

割りばし一本を胴体にして、こんなに多彩な機体が作れるとは、一連の割りばし飛行機のシリーズは、二宮先生の大発明と言ってよいと考える。

(参考:日本紙飛行機協会ホームページ、誠文堂新光社「よく飛ぶ紙飛行機集」および雑誌「子供の科学」、AG社発売のホワイトウイングス)

2012年9月24日