よく飛ぶ 紙飛行機への道

【第10回】紙飛行機の保管法について

よく飛ぶ 紙飛行機への道

紙飛行機保管の研究

紙飛行機とはやはり脆弱で、あまりにも壊れやすい構造体である。
テーブルの上に放置などしようものなら、翌日には翼がゆがみ、日常生活の中で数日もしないうちに折れるか、潰れるか、飲み物の飛沫等で汚染、破壊されるであろう。 しかし、愛すべき紙飛行機を永く保管することは、もちろん可能である。

書籍・型紙の保管

型 紙集・書籍の状態であれば、他の書籍と同様に本棚に収納しておけば良い。筆者は自分で所蔵している二宮先生のよく飛ぶ紙飛行機集シリーズを、本棚に発行順 に陳列しているが、その光景は実に壮観である。それを取り出して1ページずつめくっていくと、二宮式紙飛行機の歴史を目の当たりに出来るので、毎回感激している。

しかしながらここでの問題は、つい誘惑に負けて切り抜いてしまうという危険である。
結局、①保管用、②切り抜き用の2冊を所蔵しておくのが一番の方法である。もっと理想を言えば、①保管用、②普段の閲覧用、③切り抜き用の3冊を用意しておきたい。
表紙の退色などを防ぐために、直射日光の当たらない場所に本棚を設置しておくのも重要である。

また、初期のホワイトウイングスは紙製の箱に包装して販売されていたので、書籍と同様に扱えるのだが、後期の商品は簡易包装で、周囲からの圧力、衝撃で破壊 されてしまう可能性がある。このような後期の商品や、専門店でバラ売りの型紙を入手した場合、筆者は、業務用ファイルのB5ないしA4の透明ポケットを用 い、厚み2~3センチ程度の透明ファイルボックスに分類して綴じ込んでおくのが良いと考えている。

これなら型紙やバルサ胴の曲がりなどを防ぐことが出来 る。筆者はこの方法を、バラ売りで収集した機体を組み合わせ、すでに廃盤のセット売りパッケージを復元することにも活用している。

折り紙飛行機の保管

折り紙飛行機の保管については、素材の紙が非常に薄く、湿度などの影響でゆがんだり、潰れたりしやすい。また折ればいいからと、そう大切にはしないのが普通 であろう。折り紙飛行機を保管しようと考えること自体が誤りなのかも知れない。

しかし幸い、折り紙飛行機を折る場合は、手順の一番最後に翼の折り線を付 け、左右の翼を開くのが普通であるから、これを折ってたたみ、平らな状態に戻して、適切な大きさの安価な写真用のアルバムに、1機ずつ収納するのが良い。 実際筆者はこの方法で、折り紙飛行機をすぐに飛ばせる状態で、数年間保管することに成功している。

製作済の二宮式紙飛行機の保管

さて、二宮式紙飛行機は、完成すると長さ20cm程度のグライダー型であり、製作後、主翼や水平尾翼を畳んだり、取り外せるものは殆ど無い。また、機首から胴体重心付近以外の場所に触れると、機体に狂いが生じてしまうデリケートなものである。

クリップ付きのスタンドを用意して、航空模型のように机の上に飾るのも良いが、そのような姿勢では翼の上にホコリが溜まってしまうので、しばらくの鑑賞には良いが優れた保管方法とは言えない。

専用の箱を用意し、厚紙や板で箱の内部に機体を固定して保管するという方法もあるのだが、紙飛行機は接触させて重ねることは出来ないので意外と場所を取り、 多数の保管箱を用意するのは困難である。このような箱はむしろ、外側に取っ手を付けて紙飛行機を広場まで運ぶための運搬用ケースとするのが賢明である。

最良の保管方法は、天井に太目の針金をピンと張っておき、そこに紙飛行機の機首を上にして、洗濯ばさみで垂直にぶら下げておくことである。こうすると多数の 機体を分類して収納可能で、翼にホコリが溜まることも無く、ゆがみが生じることも少ない。

また、天井近くにあれば日常の人間活動に干渉せず、破壊されるこ とも無く、機体に力が掛かっていないので地震の揺れにも強い。このようにぶら下げて保存しておくと、10年以上経っても簡単な調整だけで飛ばすことが出来 る。上質なケント紙は耐久性が高いので、20年、30年、それ以上保管することも可能であろう。もちろんこの方法は二宮先生の著作に紹介されている。

筆者が子供の頃、200機ほどを、こうして天井からぶら下げていたことがある。その日、気に入った機体を選んで取り出しては、すぐに公園へ走っていったものだ。
読者諸氏が二宮式紙飛行機を製作したならば、是非この保管方法をお勧めしたい。

(参考:誠文堂新光社「よく飛ぶ紙飛行機集」および雑誌「子供の科学」)

2013年1月18日